漫画
カラーページは、 「フルメタル・パニック!0-zero-」以降、 ほぼ全部、水彩絵の具で着彩してます。 もちろん、「アトム ザ・ビギニング」も。
この絵は以前、ゆうきまさみさんの漫画家生活30周年記念企画に寄稿したもの。 先日、ゆうきさんの代表作のバーディーが、素晴らしい最終回を迎えられたということもあり(未読の方は是非!)、記念アップ。 描いたのは、言わずと知れた「鉄腕バーディー」&…
部室は良い。 仲間がいる。歴史がある。好きなものに囲まれてる安心感がある。 年季の入った看板。 古くて、くたくたのソファー。 ホコリくさい、ロッカー。 誰かが置き忘れてった、ギター。 ちなみにボクが大学時代に所属してたのは、動画部。 ...や、だか…
前回の日記で、「カサハラテツローは、タイアップをネガティブに思ってる」というような誤解をされた方もいるようだ。 ボクもタイアップ関係の仕事はやる。 最近も「ちびまる子ちゃんの落語」という児童書の挿絵を描かせて頂いた。 かの有名な、あの、ちびま…
ボクは、もともと学研の小学生用の教材「科学」と「学習」でカット描きを始めたことをきっかけに、この業界に入った。 なので、子ども向けの仕事にはこだわりがある。 今も、依頼があるときは、積極的に受けるようにしている。 が。 はっきりいって、児童向…
東洋美術学校というデザイン系の専門学校がある。 そこのマンガ科で、漫画テクニック講座の授業を受け持っている。 授業は、基本的にカリキュラムに沿って、課題を出し、指導し、添削するという、かなり実践的な授業だ。 生徒達とのやりとりは、大変刺激にな…
漫画の表現は、独特だ。 たとえば、「がーん!」とショックを受けるようなシーン。 「がーん!」という擬態音を書き込むのも手だし、 「ベタフラッシュ」と呼ばれる、雷が落ちたような効果を背景に描く手もある。 どちらの手法もわかりやすい。 もちろんボク…
(ザッドランナー1巻 p6) 風景にフェンスが加わると、重苦しい。 「重さ」が疎まれる昨今の文化=「ポップカルチャー」の時代。 風景にフェンスのような抑圧の象徴を描き込むのは、基本的に嫌がられる。 でも、描いちゃう。 それも結構頻繁に。 (TUBB:桶の…
「空気を読む」っていうのは、なにも日本人独特のものじゃない。 海外に行ったり、外国の人と話したりすれば、判る。 逆に、日本人でも空気を読むのが苦手な人がいる。 というか、「俺は空気を読むのが得意!」と自信たっぷりな人ほど、 「頼むから今の空気…
幼い頃、狭い空間が好きだった。 家具の隙間とか、押し入れの中とか、机の下とか。 大きめの家電が入っていたダンボールとか。 弱い動物の本能? 胎児の頃の記憶? 棺桶=死への潜在的な願望? さあ。知らない。 とにかく身体がスポっと収まる場所に、不思議…
打ち上げ花火は、よく観に行く。 ヒューっと音と共に、天空に昇って行く花火玉。 そして、まるでスターウォーズの光速モードのように、ぱぁーっと無数の光が視界いっぱいに広がり、少し遅れて「ドォォォン!」という音と衝撃波が届く。この光と音が到達する…
これから話題にしようと思ってる「空間」というのは、物体と物体の間にある何も無いスペースのことである。 で、ボクは、その何も無い「空間」が実感できる作品が、好きだ。 (長谷川等伯筆 「松林図屏風」) この作品の空間感は、凄い。ホントに凄い。もう…
2012.10.4の日記「がめんのだいかいぞう」に頂いた、むらかわみちおさんからのコメント。 ↓ ↓ ↓ http://d.hatena.ne.jp/KasaharaTetsuro/20121004/p1#c 非常に励みになる。 しかし、この言葉に甘えていてはいけない。 絵の雰囲気の軽量化には、一応トライし…
漫画の中ではキャラクター達が色々な食べ方をしているけど、当然ながら、必ずしもその食べ方を作者であるボクがしているとは限らない。 (ザッドランナー3巻p11) 近所の食堂に行った時、カツカレ−をこの食べ方...つまり、カレーとライスを、やたら念入りに混…
ボクは食事シーンが好きだ。 いかにも美味しそうな完成したゴージャスな料理を、これみよがしにアップで見せて、それをもったいぶって口にいれ、 「おいしいー!」と叫ぶ!......って場面は、別にそんなに好きじゃない。 (嫌いとまでは言わないけど) そう…
言葉には気をつけないといけない。 ここんとこの一連の記事は、 「重量感のある漫画の、完全否定」ではない。 また、 「軽量化傾向への、皮肉や警鐘」でもない。 少なくとも日本において、創作物の内容の「軽さ」は、最近の傾向ではない。 ずっと古来からあ…
昨日の日記に関して、Twitter上で沢山の反響を頂いた。 「そんなこと気にせず、わが道を行け」 「なるほど、思い当たるフシがある」 御意見はおおむね、この2通り。 前者に関して言えば、それはまあまったくその通り。 そこにこだわって忘れ去られて行く可能…
先日某編集者と打ち合わせをしていて、衝撃を受けた。 「カサハラさんの漫画の弱点は、『重量感』ですよ。 内容がどうのじゃないんです。 見た目の画風。絵の雰囲気。重たいです。」 以前から、絵が泥臭いとか古くさいとかは、何となく言われてたけど、 「重…
漫画家の、ゆうきまさみさんが、以前Twitterで 「後ろ姿=リア...が充実してるメカを、リア充と呼ぼう」と、おっしゃってた。 マシンの後ろ姿が、充実してるかどうかという視点。 実に素晴らしいと思う。 これは、ゆうきまさみさんの「漫画家生活30周年イベン…
背中映画というと、ボクは真っ先に クリント・イーストウッド主演監督の「許されざる者」を思い浮かべる。 (許されざる者) この映画はいわゆる西部劇でありながら、ほとんどドンパチが無い。 自分の功績や武勇伝を饒舌に語りまくる、自称ならずもの達と、 …
背中好きは、最近にはじまったことではない。 たぶん幼い頃、親父におんぶされてた時から、背中好きが始まったような気がする。 作品においても、例えばライドバックという作品ではコミックスの冒頭で、必ず主人公の背中を描いた。 (RIDEBACK1〜3巻総トビラ…
「描きたいものではなく、読みたいものを描く」というポリシーは、ボクの中では重要だ。 しかしながら、描き手として探求したいものもある。 それは「背中で語るキャラクター」だ。 (ザッドランナー2巻p144) 背中は語る。雄弁に。 台詞や表情は、むしろ邪…
昨日の日記で指摘された「台詞を語りながらの更衣シーン」という手法は、実はよく使う。 (ライドバック8巻 複数ページからの抜粋) 更衣する行為。 だいたいほぼ全員と言って良いくらいの文明人が共有する、日常のおこないである。 しかしながら、他人が衣…
工程主義。 つまり「手順を描く」という事に、こだわる姿勢である。 (スコペロ2巻p40〜41) ストーリー的にも演出的(エロくもないし、笑えたり泣けたり怒ったりもしない)にも地味。 その割に、複雑なアングルやポーズを描くのは大変だし、ページ数(コス…
物事には手続きがある。 人と会う時は、挨拶から。 湯船につかる前は、かけ湯から。など。 マシンなどに乗る時も、当然、ちゃんと順番に手続きをふむ。 以下は、昨日の日記に書いた「TUBB」に乗る時の、手続きだ。 こう言う手続きを描くのは、とても面倒くさ…
自分が男チーム(「バディもの」と言うらしい)漫画を読みたいから、プロフェッショナルな人に全面否定されようが、執筆作業がキツかろうが、無理してでも描く。 (ザッドランナー3巻28ページ) これこそが数日前から何度も書いてるように、 「執筆してる最…
カサハラテツローの男性キャラ。 「色気が無い」「現実味が無い」「王子様っぽい」...とのこと。 とにかく魅力的じゃないらしい。 何人もの漫画のプロフェッショナルに同様の指摘をされているので、たぶん本当なんだろう。 (ライドバック9巻147ページ) しか…
ニガテな絵もある。 例えば、以下のような絵だ。 (ザッドランナー2巻109ページ) 男性が二人。 他の作品では、とてもよく見かける構図だ。 ボクはこの構図の絵を描くのが、とてもニガテなのだ。 いや。構図の問題じゃないかも。 「カサハラさんは、男性キャ…
昨日の日記で「仕上がりの気持ちいいページ」について言及した。 こういう言い方をすると、間違って解釈されがちだ。 あくまでこれは 「仕上がった時に気持ちいい絵になっているかどうか」であって 「描いていて楽しい絵」ではない。 つまり「過程」の話では…
Twitterでたまに、プロの漫画家が「漫画を描くのって楽しい」などと発言することに、否定的なツイートをみかける。 能天気だ。 気持ち悪い。 漫画をナメてる。 甘っちょろい。 仕事というのはもっとストイックでシビアなものだ。 いや、本当はキツいくせに、…