しこうさくごさくひん

 「お金をもらってる仕事で実験的な事をやるのは、いかがなものか?」
前回のブログに関連して、上記のような趣旨の御批判を受けました。
たしかに一理あると思います。
また、あえてご批判されなくとも同様にお考えの方は、いらっしゃる事でしょうね。



ただ、ボクは実際に作家活動をされてる先生方が教える学校にいたせいか、
収入を得る目的で制作した作品上で実験的な試みをすることに、
抵抗感はほとんどないんです。
むしろ、作品は自己探求の成果であり、それゆえ、
作品制作にあたっては、常にどこかしら実験的な試みを行うべき・・・とすら
思ってたりします。
(あくまで、ボク個人的な考え方で、それが正しいという主張ではありません。)
といっても、常に大変革を!というワケではなく、
ほとんど、見た目にほとんど判らないような、自己の意識レベルでの
実験もあったりしますが。(というか、それがほとんどかも)


もちろん、すべてぶっつけ本番というわけではなく、
前もって何度もテストを重ねた挙げ句、
「これならいけるかなあ」と、ある程度納得出来るような段階まで来たところで、
本原稿に反映させることに踏み切っています。
しかし最終的なその試みの成果は、実際に印刷され、人前にさらされてみないと
判断がつかないのです。


問題なのは、些細な思考実験ではなく、根本的な作画システムから変えた
例えば今回描いたスコペロ#18のような作品が、
「見た目に全然変わってない」ということ。
むしろ「明らかに悪化した」くらいの方が、得る物が多いので、
カサハラテツロー作品にとっては、長い目で良い事だと思います。

・・・そりゃ、「良くなった!」とみなさんに思って頂けるようなモノになるのが、
勿論ベストですけど。