くうかんのたいかん

打ち上げ花火は、よく観に行く。
ヒューっと音と共に、天空に昇って行く花火玉。
そして、まるでスターウォーズの光速モードのように、ぱぁーっと無数の光が視界いっぱいに広がり、少し遅れて「ドォォォン!」という音と衝撃波が届く。この光と音が到達する時差こそが、たまんなくて、つい花火を観に行っちゃうのだ。


この「最初に光。少し遅れて音と衝撃波」っていうのは、花火と自分との距離を体感する材料だ。
光は秒速30万km。
音は秒速0.34km。
ざっと88万倍くらい光の方が早い。
音がたった1cm進む間に、光は8.8km以上進んじゃう。
圧倒的なスピード差。


だから、ちょっとした距離でも、光と音が届く時差現象は起こる。
カミナリなんかは、パッと光ってから、「ドドーーン!!」と鳴り響くまで、数を数えて雷雲との距離を測ったりする。
キャッチボールでさえ、ちょっと離れると、相手のグローブにボールが届いた光景のほんのちょっとあとに、「パシ!」っと音が聞こえたりする。

(RIDEBACK6巻p22)
物と物との距離。それはすなわち「空間」。
そして光と音が届く時差は、空間の体感そのものだ。
なので、空間を表現する為に、この現象は漫画でもよく使ってる。